自我の起原

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『自我の起原―愛とエゴイズムの動物社会学
 真木悠介 岩波書店 1993


人があるひとつの思想に決定的に魅かれ、とらえられてしまう契機は二つあるように思う。ひとつは自分を、その内奥から深く制約していた〈固有の敵〉のようなものから、解き放ってくれる思想と出会った時だ。もうひとつは、自分の身体にはじめから固有していて、未だ明確な形を見出していなかったような資質的直感のごときものに、明確な言葉を与えてくれる思想に出会った時だ。(p188)