少年と惡の研究

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 『少年と惡の研究』
 近藤修博 人文閣 昭和15年


兒童の自然的な欲求は、環境或は大人等によつて抑壓されてゐる。この抑壓が爆發した時始めて問題の發生を知るのである。英國の新教育家ニイルは、思ひきつて人為的な抑壓を全部撤廢し、すべてを子供の自由に任せてゐる。然し自由にさせるといふのは、單に子供を気儘にさせることではない。不自然な人為的抑壓を去るといふことに外ならない。(p182-3)