知的闘争術入門

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『知的闘争術入門―付録・攻撃ビラの作り方
 増尾由太郎 三一書房 1980

われわれの戦いは勝てるべくして勝つのであって、一つ一つの戦いには”奇跡”というものは何もない。ただ、弱いわれわれが、強力な”暴力集団”を打倒してみれば、全体として、それがあたかも一つの”奇跡”であるかのように見えるだけの話である。一つ一つの戦闘をとってみれば、われわれは常に強い味方が弱い敵にむかって、”決戦”を挑むように手配しているのである。敵が極限まで弱くなるように敵を運動させ、救援を求めることができないように相互の通信を切断して、これで大丈夫という状態にした上でわれわれの全勢力を、最も弱い敵の部分に集中するのである。われわれの戦闘の原理は実に簡単なものだ。「逃げる」ことと、「ワナを準備する」ことと、「じっと待ち続ける」ことがわれわれの戦闘のエネルギーの九九・九九パーセントを投じるべき対象であって、いわゆる”決戦”は残りの〇・〇一パーセントをのそれにすぎない。この点がいわゆる「戦争ごっこ」とわれわれ臆病者のやる”戦争”との相違するところだ。(p187-8)