ふたたび宝島へ

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『ふたたび宝島へ』
 ジョン・コンネル 光吉夏弥訳 英宝社 昭和26

スティヴンソンの「宝島」は、もうずっとまえに読んだことでしょう。いまから、ちょうど七十年前に書かれたこの海賊の物語は、冒険小説の傑作として、世界の人々に親しまれて来ました。そして、これを読んだ誰もが望んだことは、その後日譚を聞きたいことでした。宝は、まだ「宝島」に残っています。それがどうなったか、想像は、たくさんの読者の頭のなかで、うずまきました。けれども、それを、スティヴンソンの名作の続篇として、恥かしくないだけの作品のまとめあげる人は、なかなか出ませんでした。けれども、ついに、その不可能は、なしとげられました。イギリスの作家のジョン・コンネルが「ロング・ジョン・シルヴァーの帰還」(The Return of Long John Silver)と題して、ロングマンという一流の出版社から出した、この本がそれです。(p6)