民衆闘争テーゼ

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『民衆闘争テーゼ』
酒井隆史×矢部史郎対談 編集・企画・構成:持木良太・大畑凛 2016


 基本的に運動のプラグマティズム、運動が戦略としてどこに集約していくかとか、ありがちなことなんだけど、たぶん全体的に情勢を見誤っているか本当に誘導する勢力があるのか、問題のあまりの困難さに手を焼いて矮小化しようとしているのか。問題なのは今の社会の深部に到達するような問題で、総体的な視点が必要だしラディカルな視点が必要。今の状況は総体が必然的に要請される。世界的な状況と結びついている。知的な議論がそれを辿ろうとしないのが、それが体制の中のスムーズな動力になっている。それを全体主義って批判すると、20世紀の経験とかとひとしなみに語られるから、この奇怪な状況はいろんな言葉を尽くさなきゃいけない。(p35)