知の考古学

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『知の考古学』
 ミシェル・フーコー 中村雄二郎訳 河出書房新社 1996


言表の一総体を、一つの意味作用の閉じた、過剰な全体性としてでなく、空隙をもち寸断された一つの形象として、記述すること。言表の一総体を、一つの意図、一つの思考、一つの主体の内在性との関連においてではなく、外在性の分散に応じて記述すること。言表の一総体を、そこに起源の瞬間あるいは痕跡を見出すためではなく、一つの累合の特殊的な諸形態を見出すために、記述すること。これはもちろん一つの解釈を明るみに出すことではなく、一つの基礎を発見することでも、構成的な諸行為を解放することでもない。これは、一つの合理性から決定することでも、一つの目的論をたどることでもない。これは、私が自ら進んで〈実定性〉と呼ぶところのものを確立することである。(p192)