暴力批判論

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『暴力批判論―ベンヤミンの仕事1
 ヴァルター・ベンヤミン 野村修編訳 岩波書店 1994


ブレヒトにかんして決定的なことを一言で述べるのを余儀なくされる場合、賢明なのは、かれの対象は貧困である、とだけいうことだろう。考えるひとがこの世に僅かしかない適切な思考で、書くひとがぼくらの手に僅かしかない堅固な言いまわしで、政治家が人間に僅かしかない知性と行動力で、どのように事態を切り抜けてゆかざるをえないか―これが、かれのすべての仕事の主題である。(p236)