敗者学のすすめ

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『敗者学のすすめ』
 山口昌男 平凡社 2000


オールタナティヴという言葉がありますが、敗けた人間のもうひとつの生き方の形というものがあったと思うんです。ユダヤ人のように、日本人が世界中に散らばってしまうというのだって敗けざまであったはずなんだけど、実際はそうはなっていない。 要するに、戦後日本の社会は敗けた人間のもつ可能性というものを、まだ何も追求していないんじゃないかと思うわけです。(p70-1)