世界の創造 あるいは世界化

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『世界の創造 あるいは世界化』
 J=L・ナンシー 大西雅一郎他訳 現代企画室 2003


世界を創造するとは、ひとつの世界のために―つまり一般的等価性を背景とした不正義な地球性(グロバリテ)の対蹠物を形成せねばならないもののために―可能なそれぞれの闘争を即刻、猶予なく、再開することを意味する。だが、この闘争を繰り広げる名目はまさに以下の点にある、すなわち、この世界が無から出て来ており、世界には与えられた前提条件も、範例も、原理も、目的=終焉もないということ、そしてまさにこのことこそが、ひとつの世界の正義と意味を形成するということだ。(p48)