フーリエのユートピア

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『フーリエのユートピア』
 シモーヌ・ドゥブー 今村仁司監訳
 筑摩書房 1993


さてフーリエは、現実・情念・事物の全領域を包摂しうる体系を作ったのだが、突然それを解体する。偏執的なまでに破壊熱にとり憑かれて、彼は自分自身の体系のなかに切り口を刻み込み、同時に、過去のためだけ、または未来のためだけに作られた要塞を打ち壊す。彼は、絶えず動く現実と理性との一致はけっして獲得されないと指摘し、さらに進んで「地球と宇宙には科学者や哲学者が夢想してきたよりもずっと多くのものがある」とさえ言っている。(p14)