パンセ・スキゾフレニック

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『パンセ・スキゾフレニック―統合失調症の精神病理学』 
 内海健 弘文堂 2008


フッサールが実際にエポケーを遂行したとして、その前とその後とで、彼の世界がどう変わったか知る由もない。それはともかく、超越論的エポケーであろうと臨床的エポケーであろうと、それによって事実的には世界は何も変わるものではない。しかし、何も変わらないと同時に、すべてが一挙に変わりうる。それは「信ずる」ということをめぐるものである。(p130)