
『デモクラシー論の先駆―スピノザの政治理論』
森尾忠憲 学文社 1983
スピノザにとっては、国家の現実の力が、問題である。スピノザは、近代主権論が放置した事実としての権力の実体に迫り、権力の機能とこれに内在する自然法的規定(限定)を指摘する。これによってスピノザはマキャベリに始まる現実主義的権力把握を理論化し、現代的権力論を原理的に先取りし、このことによってホッブズの亜流としてスピノザを位置づける見解を決定的に排除するのであるが、これらのことはスピノザの原理に立ち帰ることによって明らかになる。(p193)