遊侠一匹

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『遊侠一匹―加藤泰の世界』
 山根貞男編 幻燈社 昭和45


時代劇でもぼくらが人の運命をみつめ、生きる姿や意味を考えようとすれば、必ず「政治」と鉢合せする。それは現代、ぼくらの暮しを見廻して、一本のタバコ、一杯の酒、一碗の飯に初まる行住坐臥、衣食住のピンからキリにいたるまで、必ず何らかの形で「政治」に繋がっているのと同じである。(p43-4)

落語の枕ではないけれど、世の中には十人寄れば気は十色、顔が違う様に皆違うものであるという事を互いに認め合い、分りあった上で物事が極められ、行はれ、人の命と幸せが一番大切に扱はれる様な所であって欲しい。僕はそう願いつづけて止みません。(p81)