美女と野獣

jv

『美女と野獣』
 ジャン・コクトー 秋山和夫訳 筑摩書房 1991


ぼくは机に向う作家ではない。ぼくは書かずにいられないときにものを書く。つまり最もありそうもないときに書く。会話を書くのは退屈。だが夢のこの巨大な機械を動かし、光の天使や機械の天使、空間と時間の天使と格闘するとなれば、ここに、ぼくに見合った一つの労役が課せられる。ここから何が実を結ぶかはあまり問題ではない。(p227)

編集は、最も胸がわくわくする仕事の一つだ。創造された世界を、鋏と接着剤で訂正する。追加し、再び切り、場所を入れ変え、台詞に耳を傾けながら俳優たちの表情に重ねていき、一つの場所から別の場所に飛び、動きを加速し、所作に制限を加える。(p231)