愛のめぐり逢い

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『愛のめぐり逢い』
 安井かずみ 大和書房 1974


私はたいてい黙っている。せっかく私が何かいおうとした時は既に、誰かが先にしゃべり始めているから、再び聞く側に戻る、そんなのが平常だ。そして、私はまた、人々がしゃべっているのを聞いているのが好きだ。共感して聞いてるのでも賛同してきいてるのでもない。同情しているのでも、批判してきいているのでもない。ただどうなるのか聞いているのだ。(p221-2)