パースの世界

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『パースの世界』
 R.J.バーンシュタイン編 岡田雅勝訳 木鐸社 1978

理論と実践との間の〈へだたり〉について語られるべきであろう。たとえどんなへだたりを認めるとしても、それを認めることは連続主義synechismのマクシムに逆らうことになる。しかし、時にはこれがなされなければならない。もしわたしたちがこのへだたりを認める理由を探すとすれば、わたしたちは避けられない論点を見出すであろう。理論は長期にかかわり、実践は短期にかかわる。それらの間のへだたりは、長期と短期との間の、つまり無限な全体の未来と現時点からある有限な時間において起こるものとの間のへだたりによっている。しかし、いかなるへだたりも、有限なものと無限なものとのあいだのへだたりほどに橋渡しの不可能なものはない。(p57-8)