ドゥルーズと狂気

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『ドゥルーズと狂気』
 小泉義之 河出書房新社 2014


ともかく、資本主義に何らかの傾向性があることは確かです(「法則」とは言っていません)。その傾向性を分裂病化と捉えてみるのです。それが賭けです。そのとき、資本主義の「分裂病的負荷」とは、資本主義のプロセスそのものが病状化するということです。また、資本主義は、神経症的な再領土化や倒錯的な人工的領土化を繰り返さざるをえないということです。これは比喩ではありません。比喩にしたくないのです。比喩に終わらせないためには、何としてでも、資本主義のプロセスと分裂的なプロセスが同一であると言わなければなりません。だからこそ、社会的生産と欲望的生産は同一であると言わなければならないのです。(p226)