インドネシア造形美術史

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『インドネシア造形美術史―インドネシア文化入門
 亀井はるみ・塩見真知子共訳
 インドネシア共和国教育文化省文化庁出版 1995


ある民族のもつ芸術が、その民族のアイデンティティとなっている場合も少なくない。芸術の発展と民族の威信は相互に結びついており、芸術は、民族の価値判断の一つの手段とされる。現在の民族文化の在り方からみて、芸術分野における発掘・調査・育成・開発などは、努力を惜しまずに継続して行われるべきである。まず、文献の目録や文書の作成を行い、調査を経て、書物にまとめるという過程が、正しい認識を呼びおこすことになる。このような活動によって、芸術思想を多くの人々に広めることができ、国民文化の継承・発展・保存にとって重要な意味を持つことになる。実際に、芸術の世界の発掘・調査やその他の活動は、無視することのできない重要な仕事である。(p7)