寓話

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『寓話』
 小島信夫 福武書店 1987


私は空想とは、ただ遠くへ遠くへ飛んでいってしまうということではなくて、凡庸なものたちの間では、無関係であるものどうしのなかに、関係のある紐帯を見つけるというようなことをいうのだ、とかねてから持論にしているのです。(p127)

私の『寓話』とは元はといえば、相手からきた手紙である。私はこの手紙を発表できる時点で発表してきている。私の『寓話』は、手紙の発信人も読んでいるにちがいない。(p338)