懐疑

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『懐疑―近世哲学の源流』
 R・H.ポプキン 野田又夫他訳 紀伊國屋書店 1981


デカルト以後も、近代哲学はピュロン主義的危機を考慮に入れねばならなかった。もし誰かがそれを無視しようとすれば、その人のすべての基本的仮説と全結論とは疑問の余地あるものとされ、誰か新しいピュロン主義者に攻撃されがままになるであろう。危機と共に生きるということは、われわれの基本的信念が根源的な意味において何らの基礎をもたず、信仰―精神的であれ宗教的であれ盲目的であれ―に基づいて受けいれられねばならないということを承認することを意味している。この状態においてこそわれわれは、徹底的懐疑主義をもちながら、しかも、ある種の認識と理性的知識とをわれわれに得させる確実性をもつことを、考察しまた主張できるのである。(p276-7)