スピノザ往復書簡集

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『スピノザ往復書簡集』
 スピノザ 畠中尚志訳 岩波書店 1958


ところで人間の精神について申せば、それもまた自然の一部であると考えます。即ち、私の見解によれば、自然の中には思惟する無限な力が存在し、この力は無限である限りにおいて全自然を想念的に自己の内に含みます。そしてこの力の形成する〔個々の〕思想は、自然〔の中の個々物〕と同じ仕方で進行するのです。自然はこの力によって観念されたものに外ならぬのですから。そして人間の精神はこの同じ力であると私は主張します。但しそれは、この力が無限で全自然を認識している限りにおいてでなく、有限で人間の身体をのみ認識している限りにおいてです。そしてこの点からして、私は人間の精神を或る無限な知性の一部分であると主張します。(p172-3)