『第三帝国の神話―ナチズムの精神史』
　J.F.ノイロール　未来社　1963

書物はそれぞれの運命をもつ。実際、書物は固有の思いがけない運命をもつものである。本書は一九三三－三四年頃にできたもので、もともとフランスとイギリスのために書かれたものであった。警告のために役立てるつもりだった。というのは、著者の考えでは当時すべての西欧諸国はヒトラーとナチズムを、数カ月後にはまた消えていく単に表面的なドイツの現象にすぎないと見なしていたからである。(p1)