『初期ストア派断片集1』
ゼノン他 中川純男訳 京都大学学術出版会 2000
一八三 〔「いったいどこから始めようか」と彼[クリシュッポス]は言う。「何を義務の始めとし、徳の質料としようか。自然本性とか自然本性にしたがうことをおいてほかにはないのではないか」。何をのんきなことを言っているのか。アリストテレスやテオプラストスはどこから始めているのか。クセノクラテスやポレモンはどのようなことを出発点としたのか。〕 ゼノンも幸福を構成する要素を自然本性とか自然本性にしたがうこととした点で彼らにしたがったのではなかったか。
プルタルコス『共通観念について』二三(一〇六九E-F)(p131-2)