再生産について

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『再生産について―イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置
 ルイ・アルチュセール 平凡社 2005


もろもろのイデオロギーが、つねに-すでに主体である者たちを「徴募」すべく、たえず主体に主体となるよう呼びかける。これらのイデオロギーの作用は、同一の主体、つまり(幾重にもわたって)つねに-すでに主体である同一の個人の上で、互いに重複し、交錯し、矛盾する。主体はそのなかを、ひとりで切り抜けなければならない……。今やわれわれの注意をひきつけるのは、この呼びかけという芝居の「役者たち」と彼らの個々の「役割」が、あらゆるイデオロギーの構造自体のなかにどのようなしかたで反映されるか、ということである。(p270)