エコゾフィーとは何か

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『エコゾフィーとは何か』
 フェリックス・ガタリ 杉村昌昭訳 青土社 2015

私にとって根本的に重要なのは、まさにこの過程という概念なのです。対象や主体を手懐けようという考えは放棄しているのです。私はもはや〈私の主人でも世界の主人でもない〉ということです。こんなふうに私は、分析的探究のなかに、有限性、特異性、実在的限定の次元、時間や価値との関係における不確実性の次元を導き入れようとするのです。人はある意味で不死であるとか、人は目的を定めてそれを維持し続けなくてはならないとかいったふうに、われわれは思い込まされてきたのですが、これはつまるところ狂気であり、しかもしばしば死に至るような狂気でしかありません。こうした私の考える倫理的でミクロ政治的な脱中心化は、既存の教育システムの完全な方向転換を意味するのです。しかしそれは目的が手段の前に姿を消すということを意味するわけではありません。目的も手段もないのですから、手段と目的という定式自体が崩壊するのです。もはや過程(プロセス)しかないのです。(p207-8)