もうすぐ絶滅するという紙の書物について

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『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』
 ウンベルト・エーコ/ジャン=クロード・カリエール
 工藤妙子訳 阪急コミュニケーションズ 2010


本のコレクションというのは、自慰的で孤独な行為の成果ですし、自分の興味に共感してくれるような人たちに出会うことなんて滅多にないんです。集めているのがすごく美しい絵画だったりすれば、来て見て喜んでもらうこともできるでしょう。ですが、古い本なんか集めたって、まず誰も興味を持ちません。何の変哲もない小さな本にどうしてそこまで夢中になるのか、何年も何年も探すだけの価値がどこにあるのか、不思議がられるだけです。(p436-7)