ブレヒト詩論集

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『ブレヒト詩論集』
 ベルトルト・ブレヒト 岩淵達治訳 現代思潮社 1965

メモ
私が好んでするのは庭園の撒水である。政治意識というものがこうした日常的に処理される仕事のすべてに影響を与えているということは注目に値いする。芝生のある部分が見落されているのではないか、あそこの小さな植物は水が全然あるいはあまり摂れていないのではないか。あそこの木は見たところ丈夫そうなので手入れが怠たられているのではないか、などという心配が起るのもこのためとしか考えられない。雑草であろうとなかろうと、緑のものはすべて水を必要とする。そして、水をやるようになって初めて、地上にこんなにたくさん緑のものがあるのだということを発見するのである。(一九四二) (p156)