機械の中の幽霊

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『機械の中の幽霊』
 アーサー・ケストラー 日高敏隆他訳 ぺりかん社 1969


あらゆる技能は、本能によると学習によるとを問わず、実行を重ねるにつれて機械化されたルーティンになっていく傾向がある。単調な環境は習慣へのドレイ化を容易にする。他方、予期しない偶発性はこの傾向を逆転させ、独創的な即興を生ずることがある。決定的な挑戦は、行動の崩壊を招くか、さもなくば新しい形の行動の創造に導く。 階層性の高位の段階は、ふつう低位の段階と直接には連絡しあっておらず、「軍律の経路」を経て一回には一段ずつ連絡している。中間のレベルをとびこして短絡することは、さまざまな無秩序の原因となることがある。(p155)