バビロンの庭

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『バビロンの庭―自然という名の幻想
 B.シャルボノー 鷲見洋一・原好男訳 思索社 昭和49


自然「感情」は、意識の、つまり批判的検討もしくは計算というものの対極にある。それは存在の奥底から自然発生的に出てくるから熟慮を嫌悪する。本能的な悦びであるからその悦びを台無しにする分析を避ける。自由であるから知的であれ社会的であれあらゆる組織化、すなわち主義や連合を排除する。このようにして自然崇拝者の反抗は、打ち砕こうとした鉄鎖の軛をさらに強めるだけなのだ。自然崇拝者の反抗が、異義を申したてているこの社会から欺かれないためには、方法というものの持つ力をいくらか実践しなければならないだろう。(p364-5)