ノンヒューマン環境論

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 『ノンヒューマン環境論―分裂病者の場合
 ハロルド・F・サールズ 殿村忠彦・笠原嘉訳 みすず書房 1988


 われわれの人格には、無意識的に同一視しているノンヒューマンな環境の諸要素がかなり滲みわたっているので―もっと正確に言えば、われわれの文化制度は、われわれ自身をノンヒューマンな環境から心理的に区別するのを阻害しているし、正常な乳幼児が環境全体との主観的合一状態から成長していくのを妨げているので―現実には、われわれは一から十まで完全に人間になりきることはないのである。(p384)