世界動物発見史

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『世界動物発見史』
 ヘルベルト・ヴェント 小原秀雄他訳 平凡社 1988


動物学はいつの時代にも波乱にとんだ好奇心をそそる科学であった。それはわれわれの体と同様に血肉をもち、呼吸をしたり感じたりする、そしてまたわれわれとまったく同じようにわが身を守ろうとする生き物たちの科学なのだ。大昔から人類と動物たちは魔術や飼育や経済や友情などさまざまなきずなで結ばれてきた。動物たちのおかげで宗教や帝国や経済組織が築きあげられていった。動物を追い求める狩人たちによって国々や大陸が発見された。そして、動物に関する科学的研究は、ついにはわれわれ自身の過去をも明らかにすることになったのである。