ゲリラ戦略

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『ゲリラ戦略―戦争の新しい顔
 チャールズ・W・セイヤー 井坂清訳 弘文堂 昭和40


あらゆる戦争の窮極のねらいは、クラウゼヴィッツによれば、その戦争をおこした政治目的であり、そしてその手段は、あくまでも敵の破壊である。しかしながら、彼の指摘するところでは、勝利には必ずしも敵軍を破壊する必要はない―ことに敵軍の方が強い場合にはそうである。この場合には、力を消費しすぎて、勝っても勝利が高くつきすぎるという結果にもなりかねない。勝利をかちとる最も重要な方法は、敵を疲れさすこと―敵の物理的兵力と意思を長期間にわたって、じょじょに消耗させることである。敵の疲れる過程と消耗が、ゲリラ戦のおそらく最も決定的な戦略となることは、のちの章で述べよう。(p9-10)